京都映画サークル協議会

1949年に結成された、日本で最も古い映画鑑賞団体です。「すばらしい映画を観続けるよろこびを、より多くの人とともに」をスローガンに、「よい映画をともに観て、ともに語る」ことを理念に活動してきました。

「MINAMTA」の感想が寄せられました。

 【風のたより】S

 数年前初めて九州を南から車で縦断する機会があり、通りかかって道の駅となり代わった公害の跡地を歩いた。たくさんの人々を苦しめた有機水銀をうめたてているという公園は広々と美しく整備されていたのが、なぜかうわっつらだけの寒々しい光景にうつる気がした。 映画の最後に映し出された世界の様々な公害の被害者写真、今も世界中で苦しむ人々が果てなく続いてしまっていることを、忘れてはいけないと自覚させられた。国家や大企業の権益でふみにじられる人々、動物のこと、あらためて忘れないように。

 

 【折鶴】 M

 水俣病といえば、石牟礼道子の小説「苦海浄土」や「二人のみち子」を思い出す。壮絶な中にも深い人間賛歌。

 さて、カリブ海の海賊映画で人気のあるジョニー・デップが、この映画では渾身を込めて、写真家ユージン・スミスを演じてMINAMATAの人たちに寄り添い闘いを支援し、世界の人々に感動的に伝えた。このことにびっくりした。カラー映画の時々に白黒のユージン・スミスの写真が、シャッターを切るごとくシャープに入っていて、目と心が吸い込まれた。水俣に住み、住民に信頼されたからこそ、こんなにも心揺さぶられる作品が撮れたのだと思う。原告の住民たちは(株)チッソに勝利した。しかし会社と日本政府の対応は不十分のまま。忖度する日本映画では描けない。アメリカ映画だ。音楽を担当した坂本龍一も日本の俳優たちも頑張っていて誇りに思えた。 最後に世界中で薬害などの被害で苦しみ、闘っておられる皆さんを応援するENDINGは、この映画の普遍性を示している。本当に素晴らしい映画をありがとうございます。

 

  【アップル】M

 この映画を製作くださったすべての皆様に感謝!水俣病のことは青春時代から知っていました。でも断片的にしか知ろうとしていなかった、スルーしてた自分を自覚しました。(ドキュメンタリーで、人形のように動けないわが子を「たから(宝)子」と話されてた父親の言葉を聞いて、その父親の姿はずっと心に残ってはいましたが)

 

 【ひまわり】K

 とても心に重たい映画でした。「公害」というものが、まだ世に知られてない時代なのかなぁと思いながら観ていました。。会社の利益のためには、何をしても良いという事は無いと思いました。